原材料名によく書いてある「果糖ぶどう糖液糖」ってなに?
「果糖ぶどう糖液糖」を食べたら危険なのか知りたい!
「果糖ぶどう糖液糖」はビックリするくらい様々な食品に含まれているので、見かける機会がよくあると思います。
名前に「糖」が入っているため、なんとなく糖類(甘味料)の1種なのか?と予想はつきますよね。
また、砂糖じゃダメなの?果糖ぶどう糖液糖をわざわざ使う理由は?と疑問に感じている方もいるでしょう。
そこでこの記事では
- 果糖ぶどう糖液糖とは何か?
- 砂糖ではなくなぜ果糖ぶどう糖液糖が使われるのか?
- 果糖ぶどう糖液糖が危険な3つのワケ
などについて徹底解説。
この記事を読めば「果糖ぶどう糖液糖」は摂っても問題ないのか、なるべく摂らないほうがよいのか、明らかになるでしょう。
健康志向の方や無添加生活をはじめた方など、ぜひ参考にしてください。
果糖ぶどう糖液糖は異性化糖の1種
「果糖ぶどう糖液糖」は異性化糖という甘味料の1種です。
異性化糖とはトウモロコシなどのでんぷんを原料としてつくる、「ぶどう糖(グルコース)」と「果糖(フルクトース)」の混合液のこと。
異性化糖は「果糖(フルクトース)」の含まれる割合によって以下の3つに分類されます。
- ぶどう糖果糖液糖:果糖含有率が50%未満
- 果糖ぶどう糖液糖:果糖含有率が50%以上90%未満
- 高果糖液糖:果糖90%以上
この3つのうち「果糖ぶどう糖液糖」はもっとも砂糖に近いため、砂糖の代わりとして多くのメーカーが使用。
ジュースやお菓子、ドレッシングなどなど、ひじょうに多くの食品に含まれています。
果糖ぶどう糖液糖などの異性化糖はトウモロコシやじゃがいもなどの天然原料からつくられているので、食品添加物として指定されていません!
砂糖ではなく果糖ぶどう糖液糖が使われる主な3つの理由
砂糖より甘い
砂糖(ショ糖)の甘みを基準(100%)とすると
- ぶどう糖は65〜80%
- 果糖は120〜170%
の甘みになるので、果糖のほうが砂糖よりも甘みが強いのです。
そして果糖(フルクトース)の含有率が50%以上90%未満の「果糖ぶどう糖液糖」が砂糖の甘みにもっとも近く、食品に1番多用されています。
低温で甘みが強くなる
異性化糖は砂糖(ショ糖)と比べ甘みがよりシャープに感じ、低温で甘みが強くなる特徴があります。
『農林水産省』によれば、この特徴を活かし清涼飲料水の甘味料としての利用が約5割を占めているとされています。
果糖ぶどう糖液糖は名前に「液」と書いてあるように液体なので、清涼飲料水との相性がよいことも使われる理由の1つ。
逆にお菓子やパン類などは砂糖需要の1〜3割ほどの利用となっています。
砂糖よりコストを抑えられる
果糖ぶどう糖液糖は砂糖に比べて安価に製造できるため、多くのメーカーが使用。
大量生産をするうえで少しでもコストを抑えれることは、利益アップにつながるのです。
果糖ぶどう糖液糖が危険な3つのワケ
肥満になりやすい
「果糖ぶどう糖液糖」に含まれるぶどう糖と果糖それぞれを摂取したことによる、代謝メカニズムを比べることで「肥満」との関連が分かります。
ぶどう糖の場合
摂取直後に血糖値が上昇するので、体内で血糖値を抑える物質「インスリン」が分泌。
さらに「インスリン」が分泌される影響で、食欲を抑えるホルモン「レプチン」が分泌されるため、満腹感を感じやすいです。
果糖の場合
果糖のほとんどは肝臓で分解され、脂質に変換されることが肥満の原因だとされています。
また、果糖は肝臓で分解されることから血糖値が上がりづらく、食欲を抑えるホルモン「レプチン」が分泌されにくいことで満腹感を得ずらくつい食べすぎてしまうことも考えられています。
つまり、果糖を多く含む「果糖ぶどう糖液糖」の大量摂取は、肥満を引き起こす可能性が考えられますよね!
老化が進むおそれ
果糖ぶどう糖液糖だけの問題ではありませんが、糖分の摂りすぎにより老化が進んだり、生活習慣病のリスクを高めることが指摘されています。
とくに異性化糖に多く含まれる「果糖」はぶどう糖に比べ、老化促進物質「AGEs」を8~10倍も発生させます。
「AGEs」とは余分に摂取した糖分が体内のたんぱく質と結びついてできる老化促進物質のこと。
果糖ぶどう糖液糖の摂りすぎには注意したほうがよいでしょう。
遺伝子組み換え原料の可能性
果糖ぶどう糖液糖は主にトウモロコシのでんぷんからつくられますが、日本で流通しているトウモロコシの約70%はアメリカからの輸入。
『農林水産省』によると、アメリカの遺伝子組み換えトウモロコシ栽培面積が92%(令和1年)となっています。
つまり、「果糖ぶどう糖液糖」の主原料であるトウモロコシの多くは、遺伝子組み換えの可能性がひじょうに高いのです。
果糖ぶどう糖液糖において、もっとも危険視すべきはこの遺伝子組み換えにあるでしょう。
詳しくは別記事で解説していますが、遺伝子組み換え作物は以下の危険が指摘されています。
- アレルギー
- アトピーなど皮膚炎
- 発達障害などの精神疾患 など…
遺伝子組み換え作物の危険性に関する根拠は数多くあるため、果糖ぶどう糖液糖は極力避けたいですね。
アメリカの異性化糖離れ
2015年2月、アメリカの大手食品メーカー『クラフトハインツ社』が同社の人気商品「Capli Sun」で使用していた甘味料を、異性化糖から砂糖、ショ糖、ステビアの混合甘味料に変更することを発表。
同じく2015年2月、アメリカのチョコレートメーカーで有名な『ハーシー社』も、異性化糖からサトウキビ由来の砂糖に徐々に切り替えること発表しています。
ハーシーのチョコレートは実際に原材料を調べましたが、チョコレートには確かに砂糖が使われていました。
ただ、チョコレートシロップは未だに異性化糖が使用されているようです。
果糖ぶどう糖液糖が入っているもの一部紹介
果糖ぶどう糖液糖はつぎのように、とにかくたくさんの食品に使われています。
- スポーツドリンクや炭酸ジュースなどの清涼飲料水
- 調味料
- ドレッシング
- パン
- 乳製品
- お菓子・アイスクリーム
ここではすべてを紹介しきれないので、例として果糖ぶどう糖液糖が含まれる食品を3つ見ていきましょう。
ポカリスエット
スポーツドリンクとして有名なポカリスエット。
果糖ぶどう糖液糖だけでなく、あやしい食品添加物もたくさん入っていますね。
こういうドリンクは避けたほうが無難です。
学生時代は知らずにぐびぐび飲んでましたね(笑)。
ガリガリ君 ソーダ
原材料名 |
異性化液糖、砂糖、りんご果汁、ぶどう糖、ライム果汁、水飴、リキュール、食塩、香料、安定剤(ペク チン)、着色料(スピルリナ青、クチナシ、ベニバナ黄)、酸味料 |
子どもが大好きなガリガリ君ですが、1番目に「異性化液糖」と記載があります。
異性化糖と異性化液糖は同じものです。
正式な名称は異性化糖ですが、異性化液糖と記載される場合もあります。
この記事の最初に異性化糖は3つに分類されているとお話ししました。
- ぶどう糖果糖液糖:果糖含有率が50%未満
- 果糖ぶどう糖液糖:果糖含有率が50%以上90%未満
- 高果糖液糖:果糖90%以上
この表示だと異性化糖のどの種類が使われているか分かりません。
子どもにもなるべく食べさせたくないですね。
キューピー 中華ドレッシング
原材料名 |
しょうゆ(国内製造)、食用植物油脂、ぶどう糖果糖液糖、醸造酢、米発酵調味料、食塩、チキンエキスパウダー、ほたてエキスパウダー/調味料(アミノ酸等)、増粘剤(キサンタンガム)、香辛料抽出物、(一部に乳成分・小麦・ごま・大豆・鶏肉を含む) |
こちらのドレッシングは果糖ぶどう糖液糖ではないですが、「ぶどう糖果糖液糖」が使用されています。
また、安全性に疑いのある添加物も入っているので、できるだけ使わないようにしましょう。
まとめ|危険だと断言はできないが果糖ぶどう糖液糖は極力避けたい
今回は原材料表示ラベルでよく目にする「果糖ぶどう糖液糖」が危険な理由について解説しました。
果糖ぶどう糖液糖はまとめると以下のような危険が潜んでいます。
- 果糖のほとんどは肝臓で分解され、脂質に変わるメカニズムのため「肥満」の原因になりやすい
- 果糖はぶどう糖に比べ老化促進物質「AGEs」を8~10倍も発生させる
- 主原料であるトウモロコシは遺伝子組み換えである可能性が高い
とくに遺伝子組み換えは近年増加傾向にある、アレルギーやアトピー、発達障害などと関連があると海外でも危険視されています。
食品を選ぶときは原材料名を確認するクセをつけて、果糖ぶどう糖液糖などの異性化糖を避けるよう心がけましょう。
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