- 小麦(グルテン)が体によくないってほんとう?
- どんな危険性があるのか教えて!
- 小麦(グルテン)が体に悪い根拠はあるの?
小麦(グルテン)の危険性についてはさまざまな意見があるため、危険なのかどうかを判断することは正直難しいです。
日本ではあまり知られていませんが、欧米ではグルテンフリー(小麦不使用)のパンやパスタなどの食品が広く浸透しています。
小麦は体に悪いという認識があたりまえとしてあるのです。
そこでこの記事では
- なぜ小麦が体に悪いといえるのか
- 小麦を食べるとどんな症状になる恐れがあるのか
- 欧米でグルテンが危険だという認識が広まった背景
などについてわかりやすく解説しています。
小麦(グルテン)が体に悪いかどうか疑問に思っている方はぜひさいごまでお読みください。
この記事ではおもに以下の本を参考にしています。
【無添加厳選!】米粉を使ったおすすめグルテンフリーお菓子・スイーツ6選
小麦が体に悪い理由|グルテンが原因
そもそも「グルテン」とは何か?
「グルテン」とは小麦に含まれるたんぱく質の一種。
具体的には、「グリアジン」と「グルテニン」という2つの物質で構成されています。
- グリアジン:弾力はあるが伸びにくい
- グルテニン:弾力はないが伸びやすい
この2つが結びつくことで、弾力と伸びやすさの両方を兼ね備えた「グルテン」になります。
小麦粉に水を混ぜて練ると強い粘り気が出てきます。
この強い粘り気を生み出す物質が「グルテン」です。
また、「グルテン」はパンなどをふわふわにする働きも持っています。
腸の炎症が起きて腸に穴があく
小麦のたんぱく質「グルテン」は、消化しづらく分解されにくいという特徴があります。
さらにグルテンは腸の粘膜にくさびのようにくっつくため、腸内に一部とどまってしまいます。
結果、腸の粘膜が傷つけられ腸に穴があく現象「リーキーガット(腸もれ)」が引き起こされるのです。
腸に穴があくと、未消化物や細菌、添加物などの毒素がその穴から入り込みます。
いろんな毒素がその穴から血管を通り全身をめぐるため、体のいたるところで炎症が起きてしまうのです。
腸の炎症は脳にまで影響
脳と腸がつながっていることはよく知られています。
お腹の調子が悪いと不安感に駆られたり、脳がストレスを感じるとお腹が痛くなったりします。
腸は脳につぐ多くの神経細胞があり感情にも深くかかわるため、「第2の脳」と呼ばれているのです。
よく試合前やテスト前など大事なときにかぎってお腹が痛くなった経験ありませんか?
つまり、脳と腸は密接に関係しているのです。
グルテンにより腸が炎症を起こすと
- うつ
- 神経症
- 集中力の低下
- 認知症
- 発達障害(ADHD等)
など脳に関するいろんな症状が起こる危険があるのです。
【エラー】複数の臓器を攻撃する抗体ができてしまう
体内では異物を排除するための抗体がつくられます。
しかし、グルテンの1種「グリアジン」のアミノ酸配列と臓器のアミノ酸配列が似ています。
結果、抗体は臓器のアミノ酸配列を異物と勘違いして臓器を攻撃してしまうのです。
アミノ酸配列とは、たんぱく質を構成するアミノ酸のならぶ順序のことをいいます。
攻撃対象になってしまう臓器はつぎの通りです。
- 脳
- 神経細胞
- 肝臓
- すい臓
- 心臓 など
その他グルテンが引き起こす症状一覧
- アトピーなど皮膚のかゆみ
- アレルギー性鼻炎
- 発達障害(ADHDなど)
- 精神疾患(うつ・多動症など)
- 自己免疫疾患(セリアック病・)
- 慢性的な疲労
- 睡眠障害
- 集中力の低下
- 便秘 など
実はこれらの症状は小麦をとり入れたことだけが原因ではありません。
そのほかの要因として、
- 化学合成された食品添加物
- 農薬
- 牛乳など乳製品
などをとり入れることでも上記のような症状に悩まされる可能性がひじょうに高いのです。
小麦だけにとらわれず、さまざまな食品に目を向けることが大切!
体にさまざまな悪影響をおよぼすその他の要因については以下の記事を参考にしてください。
「【発がん性のおそれ】食品添加物が危険な理由を徹底解説|子どもは影響を受けやすい」
現代の小麦は農薬に汚染されている危険性
農林水産省によると、日本で流通している小麦の約9割を海外から輸入しています。
輸入作物で怖いのが「ポストハーベスト農薬問題」。
ポストハーベスト農薬とは、輸送の間にカビが生えたり、虫に食われないために撒く「防カビ剤」や「殺虫剤」などの農薬を指します。
ポストハーベスト農薬のなかでもネオニコチノイド系農薬(殺虫剤)が人の神経伝達を狂わすひじょうに危険な農薬として問題に。
欧米ではネオニコチノイド系農薬の使用を禁止している国があるほど危険なんです!
また、除草剤「グリホサート」も小麦に使われている可能性があります。
除草剤「グリホサート」は発がん性のリスクがある大変危険な農薬です。
このように、小麦には「グルテン」だけでなく、外部要因として農薬のリスクがつきまとうのです。
化学合成された添加物が使われている危険性
大手食品メーカーのパンやクッキーなどの焼き菓子には必ずといっていいほど危険な食品添加物が使われています。
小麦食品に使われる添加物の種類をぜんぶあげるとキリがないので、この記事ではとくに危険な2つの添加物を解説します。
臭素酸カリウム
「臭素酸カリウム」は発がん性のリスクが高い、トップクラスに危険な添加物です。
この危険さゆえに、EU各国・カナダ・中国など多くの国が使用を禁止。
残念ながら日本では、「臭素酸カリウム」に対する規制はいっさいありません。
ヤマ〇キパンにいたってはホームページ上で堂々と使用を公開しています。
詳しくはヤマ〇キパンの公式ホームページをご覧ください。
「臭素酸カリウム」は加工助剤として扱われるため、原材料に表示されないという恐ろしさがあります。
つまり、ヤマ〇キパン以外の大手メーカーも臭素酸カリウムを使用している可能性があるのです。
「加工助剤」やその他原材料の表示ルールについては別の記事をご参考ください。
合成甘味料
大手メーカーのパンやお菓子などの小麦食品には、砂糖のかわりに以下のような人工的につくられた「合成甘味料」が使用される場合があります。
- アスパルテーム
- アセスルファムK
- 果糖ぶどう糖液糖(別名:異性化糖)
- スクラロース など
たとえば「アスパルテーム」は発がん性が疑われる危険な添加物です。
アメリカでは1981年にアスパルテームの使用が認められたが90年代後半、研究者たちによって脳腫瘍を起こす危険があると指摘されています。
また、パン・ジュース・ドレッシングなど幅広く使用されている「果糖ぶどう糖液糖(異性化糖)」は、そのほとんどが遺伝子組み換えとうもろこしでつくられているといわれています。
遺伝子組み換え作物についてはこちらの記事をご覧ください。
グルテンに対する日本と欧米の意識の違い
日本ではまだまだ小麦の危険性について知っている人が少ないでしょう。
ところが、欧米では「グルテンフリー」が広く浸透しています。
小麦粉が使われていないことをグルテンフリーと呼びます。
たとえば、パン屋ではグルテンフリーかグルテンインかを自分で選ぶことができます。
また、ピザ屋ではグルテンフリーの生地を選ぶこともできるのです。
近年、欧米でグルテンフリーの意識が高まった背景には、世界最強テニスプレイヤー「ノバク・ジョコビッチ選手」が出した本『ジョコビッチの生まれ変わる食事』が世界的ベストセラーになったことにあるでしょう。
この本では、ジョコビッチ選手が長年悩まされた体調不良が、「脱小麦」を実践したことで改善したことが語られています。
このように欧米では小麦が危険であるということはあたりまえの常識として認識されているのです。
おわりに|脱小麦生活に挑戦してみよう
今回参考にさせていただいた2つの本では、どちらの著者も
「まずは3週間の脱小麦」
をすすめられています。
著書「内山葉子」さんによると、3週間は小麦や牛乳がもとになってできた抗体が体から消えていく期間とのこと。
もちろん症状のひどさによって効果を実感できる期間は変わってくるでしょう。
しかし、ほとんどの人は3週間で効果があらわれるのです。
私も脱小麦をはじめて4年目になりますが、アトピーのかゆみが引いてきた実感は「はじめてから約1か月後」でした。
とはいえ、いきなり小麦食品を完全に断つことは難しいと感じる方も多いでしょう。
日々食べているもののなかで小麦食品がメインになっている人は、とる頻度を減らすだけでもそのうち効果はあらわれます。
- 週2回だけラーメン・パスタなどを食べる
- 毎朝のパンをお米に変える
このようにゆるく脱小麦を実践しても時間はかかると思いますが、症状が改善します。
私はラーメンが好きすぎるので、いまでも2週間に1回ラーメンを食べていますよ!
グルテンフリー食品を食べよう!
本来小麦粉を使ってつくる食品(パン・麺類・ケーキ・クッキーなどの焼き菓子など)は米粉や大豆粉などで代用できます。
小麦のパンやパスタなどと差がないくらい「おいしい米粉・大豆粉食品」も多数販売されていますよ。