- 牛乳が体に悪いって耳にしたけど、子どもに飲ませても大丈夫?
- 牛乳が体に悪いワケを詳しく教えて!
- 牛乳に含まれるカゼインってなに?
牛乳はカルシウムたっぷりで体にいいというイメージですよね?
学生時代、給食のたびに飲んでいた方がほとんどでしょう。
そこでこの記事では牛乳は体にいい!という情報がくつがえる、じつは体に悪いとされる理由をわかりやすく解説。
この記事の主な内容
- 牛乳が体に悪いとされる5つの理由
- アメリカが牛乳の安全神話を日本に定着させた!?
- 現在の牛乳の危険な製造方法
- 牛乳や乳製品にかわるおすすめ食品
この記事を読めば牛乳がなぜ体に悪いといえるのか、牛乳や乳製品を食べないかわりに何を食べればよいか、などが理解できるようになります。
成長期の子どもがいるママさんや、牛乳をはじめとした乳製品の摂取に不安がある方は、ぜひ参考にしてください。
牛乳が体に悪い5つの理由
牛乳はカルシウムたっぷりでからだにいいと思っていた方が多いでしょう。
そんな牛乳や乳製品が体に悪い・なるべく摂らないほうがよいとされる理由はつぎの5つ。
- 牛乳の「カゼイン」が腸に負担をかける
- 日本人の約8割が乳糖を分解できない
- 発がん性のリスクがある
- カルシウム不足で骨がもろくなる
- モルヒネに似た物質が生成される
1つずつ詳しく見ていきましょう。
カゼインが腸に負担をかける
「カゼイン」とはたんぱく質の1種。牛乳に含まれるたんぱく質のうち、約80%を占めています。
牛乳や乳製品に含まれる「カゼイン」は人体にとってひじょうに消化しにくく、腸と体に負担をかける物質。
また、人はカゼインを分解する酵素を持っていません。
分解しきれなかったカゼインは腸にとどまり、腸内に炎症を引き起こすとされています。
腸内に炎症が起こると、つぎのような様々な症状を引き起こすリスクが考えられます。
- 便秘
- 下痢
- アレルギー
- アトピー など…
もちろん人によって症状の度合いは変わりますが、上記のような症状で苦しんでいる方は、なるべく牛乳や乳製品は避けたほうがよいでしょう。
じつは小麦に含まれる「グルテン」というたんぱく質も「カゼイン」同様、腸内に炎症を起こし、いろんな症状を引き起こすとされています。
小麦についてはこちらの記事で解説しています。
日本人の約8割が乳糖不耐症
牛乳には5%前後の糖質が含まれますが、その糖質のほとんどが「乳糖」。
乳糖を分解するにはラクターゼという酵素が必要ですが、成人した日本人の約8割がラクターゼ(酵素)を持っていません。
乳糖を分解できない症状のことを「乳糖不耐症」と呼び、日本人の約8割が「乳糖不耐症」だと考えられます。
体内で乳糖を分解できないと下痢になったり、おなかにガスがたまったりします。
牛乳を飲んだり、ヨーグルトなどの乳製品を食べると、おなかがゴロゴロしたり痛くなった経験ありませんか?
「私って乳糖不耐症?」という方は、改めて何度か食べてみて、おなかの調子を確認しましょう。
Column
日本人だけでなく、アジア人やアフリカ人のほとんども「乳糖不耐症」であるといわれています。
一方、欧米人(白人)の場合、古くから牛乳や乳製品をとってきている時代背景があるため、乳糖を分解できる人の割合が高いとされています。
発がん性のリスクが疑われる
牛乳には、牛の赤ちゃんが体重を1日に1kg増やすのに必要な成長ホルモンが含まれています。
この成長ホルモンのことを「IGF-1」といいます。
IGF-1は乳がんや前立腺がんなどと関連があるとする論文も多数あがっており、危険性が疑われる物質。
また、牛乳は妊娠している牛のお母さんからでるものなので、女性ホルモン(エストロゲン)も自然に含まれています。
あたり前ですが、牛乳は牛の赤ちゃんを育てるものであって、人が飲む目的ではつくられていません。
このほかにも乳牛は
- 遺伝子組み換えの成長ホルモンを打たれている
- エサに遺伝子組み換え穀物を与えられている
- 抗生物質を与えらている
などさまざまな化学物質を体内に蓄積しているので、それらの化学物質は牛乳にも含まれる可能性も。
このようなことから、牛乳を飲むと生殖器の病気やホルモンに関連する病気(甲状腺など)、乳がんなどのリスクが高くなることが指摘されているのです。
カルシウム不足で骨がもろくなる
戦後、日本人の牛乳の消費量がふえていくと同時に骨粗しょう症の人が増えています。
牛乳はカルシウムたっぷりだから、飲めば飲むほど骨が強くなるんじゃないの?
そう思う人が多いでしょう。
たしかに牛乳にはカルシウムがたくさん含まれることは事実。
しかし、カルシウムは牛乳に多く含まれるたんぱく質カゼインと結合し、吸収されづらくなるとされています。
結果、カルシウムは吸収されず、ほとんどは体外に排出されてしまうのです。
牛乳を飲んでカルシウムをたくさんとっているつもりでも、実際はカルシウム不足になっているということですね。
戦後、日本で牛乳が一気に広まったことと、増加傾向にある骨粗しょう症との関連性は切っても切れないといえるのではないでしょうか?
Column
世界で1番牛乳を飲んでいる国はノルウェーです。
ところが、ノルウェーの骨粗しょう症の発生率はなんと日本の5倍。
また、スウェーデンの大規模研究では、牛乳を飲んだ人のほうが寿命が短く、女性では骨折がふえるというデータも。
中毒性がある
さきほど説明したたんぱく質「カゼイン」から、モルヒネ様物質「エキソルフィン」がつくられるとされています。
「モルヒネ」とは、強力な鎮痛作用や依存性をもつ、麻薬の一種。
日本では医療用麻薬として用いられています。
「エキソルフィン」はモルヒネ同様、依存性や中毒性をもつ物質。
脳神経に作用し、精神・神経障害も引き起こす可能性もあるようです。
牛乳が好きで毎日のように飲んでいる人は、実は「エキソルフィン」がもつ中毒性が原因かもしれません。
牛乳の安全神話を広めたアメリカ
みなさんも学生の頃、給食にはたいてい牛乳がでていたことでしょう。
日本で牛乳を飲む文化が浸透したのは、実はとても最近のこと。
きっかけは第2次世界大戦
日本で牛乳が広まったきっかけは、ズバリ「第2次世界大戦の敗戦」にあります。
終戦直後、日本はアメリカのいいなりでした。
アメリカの政策により、小中学校・幼稚園・保育園の給食に牛乳が導入されるように。
アメリカは牛乳が体に悪いと知りながら、日本に牛乳を広めたといわれています。
子どものうちから食事のなかに牛乳を根づかせることで、大人になってからも牛乳を消費してくれるというねらいがあったようです。
お金稼ぎのターゲット日本
アメリカが日本に牛乳を広めた真の目的は、アメリカの乳業会社を儲けさせることでした。
また、粉ミルクも販売するために今までおこなわれてきた哺育(赤ちゃんに母乳を飲ませて育てること)を止めさせられたのです。
アメリカは戦後、粉ミルクと哺乳瓶セットでの哺育も進めたのです。
これらアメリカの政策を成功させるために、
- 子どもには牛乳や乳製品を積極的にとらせる
- 生後3か月で母乳からの断乳
- 牛乳はカルシウムが豊富で体によい
などの安全神話を日本に浸透させたのです。
牛乳の製造方法や牛の飼育の問題
一般的な牛乳は利益優先でつくられており、ヒトへの健康リスクは考えられていません。
とにかく大量生産することが第一にあり、ウシの健康状態もお構いなし。
現在の牛乳の製造方法やウシの飼育に、どんな問題があるのか詳しく見ていきましょう。
3つの加熱殺菌
- 超高温殺菌:120~130℃で2,3秒間加熱する方法
- 高温殺菌:75℃で15秒加熱する方法
- 低温殺菌:62~65℃で30分加熱する方法
加熱殺菌は食中毒などの原因となる有害菌を殺菌することを目的とした殺菌方法。
60℃前後以上で牛乳に含まれる「酵素活性」が失われるだけでなく、「乳酸菌」や「善玉菌」も死滅してしまいます。
また、加熱によりたんぱく質が変形して消化・吸収されにくくなったり、ビタミンやミネラルも壊れてしまうのです。
超高温殺菌・高温殺菌はごく短時間で加熱処理が終わるため、大量生産向き。
市販に並ぶ牛乳のほとんどが「超高温殺菌・高温殺菌」でつくられています。
「低温殺菌」なら比較的栄養素や善玉菌が残り、健康効果も期待できます。
もし牛乳を飲むなら、「低温殺菌」の牛乳を選びましょう。
低温殺菌のことを「パスチャライズ」という場合もあります。
低温殺菌と書かれていなくても、「パスチャライズ」の表示があればOKです!
ホモジナイズ
「ホモジナイズ」とは、専用の機械で牛乳に圧力をかけたり、高速で撹拌(かき混ぜる)することで脂肪球を細かく均質化する処理のこと。
均質化することで乳脂肪の分離を防げるので、牛乳の見た目がよくなったり、なめらかになります。
見た目が悪くなるという理由から、一般的な牛乳は「ホモジナイズ」処理がされています。
問題なのは「ホモジナイズ」処理の過程で、酸化が進んだり「トランス脂肪酸」ができてしまう点。
WHO(世界保健機関)によれば、「トランス脂肪酸」を摂りすぎると、悪玉コレステロールの増加や心筋梗塞、肥満などのリスクがあることがわかっています。
一方で、ホモジナイズしていないことを「ノンホモジナイズ」と呼ばれています。
「ノンホモジナイズ」だと、上部に分離した乳脂肪(生クリーム)が浮かびますが、品質には全く問題ありません!
牛乳を選ぶ際は、「ノンホモジナイズ」または「ノンホモ」表示のものを選ぶほうが安心です。
輸入穀物飼料
本来ウシは草食ですが、現在日本のほとんどの牧場では、主にアメリカから輸入されたとうもろこしや大豆などの「穀物飼料」が主流です。
アメリカから輸入した穀物飼料はウシにとって消化しづらく負担がかかります。
さらに輸入穀物飼料は遺伝子組み換え作物であることや、ポストハーベスト(輸送中の農薬使用)といった問題も。
農薬まみれの遺伝子組み換え穀物飼料を食べて育ったウシのミルクを飲むのは、体に悪いと考えられるでしょう。
牛乳を飲みたい場合は「グラスフェッド」の牛乳がおすすめです。
グラスフェッドは牧草のみを食べて育ったウシのことなので、遺伝子組み換えの心配もなく、ウシも元気で健康的に育っていますよ。
薬剤投与
ふつうの牛乳には抗生物質やホルモン剤といった、化学物質が混ざっている可能性もあります。
現在の飼育方法は牛舎内でのつなぎ飼い(タイストール方式)が一般的ですが、動けないことで関節に炎症を引き起こしたり、ストレスがたまって病気になりやすいのです。
つまり関節の炎症や病気をおさえるのに抗生物質が多用されます。
またホルモン剤は成長を早めるために打たれるのです。
動けずストレスがたまる環境で薬剤を打たれまくったウシの牛乳を飲めば、からだにどんな影響がおよぶのか定かではありません。
牛乳を選ぶ際は、薬剤投与のされていない健康的なウシの牛乳のほうが安全といえるでしょう。
「自然放牧」や「山地酪農」、「グラスフェッド」などは、安心・安全な牛乳であるキーワード。
牧草地内で放し飼いされているため、ストレスフリーでのびのび育ちます。
薬剤投与を基本しなくて済むので、イチオシですよ!
牛乳は嗜好品として摂ろう!
牛乳や乳製品を食べても、安全だとは限らないことがわかったかと思います。
そこで牛乳・乳製品は嗜好品として、
- 週に2,3回
- 週に1,2回
- 月に1,2回
など、徐々に食べる頻度を減らしていきたいところ。
とくに、すでにアトピーで悩んでいる方やおなかをくだしやすい方などは、牛乳を断つだけでも改善するでしょう。
おすすめ牛乳・乳製品
嗜好品として摂るのにピッタリな牛乳・乳製品をつぎの記事で紹介しています。
よかったらあわせてご参考ください。
高品質な牛乳にこだわる
嗜好品として牛乳を飲む際は、つぎのポイントをおさえた牛乳を選ぶことが重要です。
- 低温殺菌(パスチャライズ)
- ノンホモジナイズ
- 飼料は非遺伝子組み換え穀物(グラスフェッドなら尚よい)
- 抗生物質やホルモン剤などの薬剤投与がされていない
これらのポイントが1つでも多くあてはまる牛乳なら、なるべく体へのリスクが減らせます。
私はたま~にしか牛乳は買いませんが、買うときはかならずチェックしていますよ!
カゼインの害の大きさを把握
上の図のように乳製品の種類によって、カゼインの害の大きさが異なります。
発酵食品であるヨーグルトやチーズは、発酵によってカゼインがある程度分解され、牛乳よりも消化しやすいというメリットも。
ヨーグルトやチーズは乳酸菌を含むので、おなかが元気になるなどの健康効果も期待できます!
バターに関してはほぼ脂質でカゼインがほとんど入っていないため、カゼインによる体への影響はほとんどありません。
牛乳だけは飲むメリットが正直ありませんが、ヨーグルトやチーズなどはおなかの調子と相談しながら、嗜好品としてときどき食べてもよいでしょう。
Column
ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、味噌やぬか漬けなどの発酵食品からも摂ることができます。
とくに味噌汁などを飲むと腸の調子がよくなるのでイチオシ!
牛乳に代わるおすすめの食品
植物性ミルク
「植物性ミルク」とは、その名のとおり植物由来の原料でつくられていて、近年牛乳のかわりとして注目を集めています。
「植物性ミルク」とは具体的につぎのようなものです。
- 豆乳
- アーモンドミルク
- オーツミルク
- ライスミルク など…
「植物性ミルク」には、大豆やアーモンドに含まれる「ビタミン類」などが摂れるメリットも。
本来牛乳を使ってつくられる焼き菓子やケーキなども、最近は牛乳のかわりに豆乳などを使うケースが増えましたよ!
クセもなく飲みやすいため、牛乳のかわりとしてはピッタリでおすすめです。
Column
豆乳は調整豆乳と無調整豆乳の2種類がありますが、大豆のみでできた「無調整豆乳」がおすすめ。
調整豆乳は砂糖や植物油脂を加えて飲みやすくしている一方で、血糖値があがりやすかったり、遺伝子組み換え油脂の可能性があり注意が必要です。
骨を強くしてくれる食品
骨を強くするには、ビタミンDを豊富に含んだを食品を食べるのがおすすめ。
ビタミンDは、カルシウムの吸収を促し骨を強くしてくれます。
日光浴を1日に30分ほどするだけでも、体のなかでビタミンDがつくられるのでおすすめ!
ビタミンDがたっぷりとれる食品
- ちりめん
- 切り干し大根
- 天日干ししいたけ
- 緑黄色野菜
- 海藻類 etc…
骨を強化する栄養素としては、ほかにも
- ビタミンK
- マグネシウム
- ビタミンC
- たんぱく質
などもありますよ。
まとめ
牛乳や乳製品が体に悪いとされる理由をまとめるとつぎのようになります。
- 「カゼイン」による腸内環境の悪化により、アトピー、アレルギーを引き起こす可能性がある
- 牛乳に含まれる成長ホルモン「IGF-1」は乳がんや前立腺がんなどと関連があるとする論文もある
- ホモジナイズ(乳脂肪の均質化)によりトランス脂肪酸ができる恐れ
- 飼料はアメリカの輸入穀物が主流で、遺伝子組み換えやポストハーベスト農薬のリスクがある
- 牛舎内でのつなぎ飼いにより、ウシの関節が炎症したり、ストレスで病気になるので抗生物質を多用
もちろん牛乳以外にも体の不調には、さまざまな要因が絡んでいますが、牛乳も無視できない要因の1つ。
成長期の子どもがいる方は、牛乳や乳製品を摂らせるべきか、いま一度考える必要があるでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございます!
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参考文献:
パンと牛乳は今すぐやめなさい! (3週間で体が生まれ変わる)|内山葉子 著
牛乳はモー毒? (カン・ジン・カナメの健康教室)|真弓定夫 著