- 食品添加物にはどんな危険があるのか教えて!
- 食品添加物ってなんで使われるの?
- 食品添加物に発がん性があるってほんとう?
食品添加物について学びたいけど、本を読むのはめんどくさいし、忙しくて時間もあまりない。
そんな方でも簡単に理解できるように、まずは食品添加物にはどんな種類があるのかお話ししたうえで、つぎのことを解説していきます。
- 食品添加物を使用する理由・目的
- 日本政府が定めた安全基準とは?
- 食品添加物が危険だといえる7つのワケ
この記事を読むだけでも、きっとあなたの無添加生活に役立つ情報が見つかります。
食品添加物の安全性に疑問を持つ方やお子さまのいるご家庭の方は、ぜひご参考ください。
食品添加物の種類について
現在食品添加物は約1500種類以上もあり、厚生労働省により以下の4つに分類されています。
- 指定添加物
- 既存添加物
- 天然香料
- 一般飲食物添加物
それぞれ詳しく解説していきます。
指定添加物
指定添加物は食品衛生法第12条にもとづき、厚生労働大臣が使用してよいと定めた化学物質。
指定添加物のほとんどは石油製品を原料に化学的に合成してつくられます。
一部植物由来の原料でできている場合も。
令和4年10月26日時点、指定添加物の登録数は「474品目」もあります。
発がん性やアトピーなどの危険性が疑われるものは、基本「指定添加物」にあてはまるものです。
既存添加物
「既存添加物」とは化学合成物質以外で、古くから日本で使われてきた天然由来の添加物。
植物や海藻など、自然界に存在するものを原料につくられています。
令和2年2月26日時点、既存添加物は357品目あります。
食品を色づけられる「ベニバナ赤色素」や、とうふを凝固させる「にがり」などが既存添加物です。
天然香料
植物や海藻、きのこといった、動植物の香り成分を抽出してつくられた天然添加物。
食品に香りをつける目的で使用され、たとえば「バニラエッセンス」や「シトラス」などがあります。
厚生労働省の天然香料リストでは、600品目以上も掲載されていて、食品添加物の分類ではもっとも多いですね。
いくつもの天然香料を組みあわせて、独特の香りを生みだす場合が多いようです。
一般飲食物添加物
一般に飲食されている食品で、添加物としても使用するもの。
100品目以上あり、「寒天」や「ヨモギ抽出物」などがあります。
ちなみにヨモギ抽出物は、苦味料として使われます。
日本政府が定めた安全基準
ここでは食品添加物がどんなルール(基準)のもと使用されるのかを解説します。
1日摂取許容量(ADI)
「1日摂取許容量(ADI)」とは人が生涯にわたって、毎日食べ続けたとしても健康に悪影響がでないと考えられる量のこと。
定めるにはマウスなどの動物実験で、動物にまったく害のない容量「無毒性量」を見つけます。そして動物に害のない無毒性量からさらに1/100少ない量を「1日摂取許容量」として決定します。
食品メーカーは1日摂取許容量の基準にもとづいて、安全とされる量の添加物を使用するわけです。
詳しくは後述しますが、1日摂取許容量は1つの添加物(化学物質)に対して定められたルール。
複数の物質があわさった場合の影響は考えられていません。
食品添加物を使用する理由・目的
ありとあらゆる食品に含まれているといっても過言ではない食品添加物。
そもそも食品製造メーカーはなぜ添加物を使用するのでしょうか?
食品添加物がこれでもかと使用される理由や目的を見ていきましょう。
食品の保存性を高めるため
食品の品質を保ち、保存性を高めるために使用されます。
これにより長期保存や食中毒を未然に防ぐことにつながるため、多くの食品メーカーが使用する現状です。
保存性を高められる食品添加物
- 安息香酸ナトリウム
- ソルビン酸カリウム
- 亜硫酸ナトリウム など…
食品の見た目をよくするため
食品に色をつけて見た目をよくするためにも、食品添加物は使用されます。
食品に色をつけられる添加物はつぎのようなものです。
- 着色料(黄色4号)
- 着色料(カラメル色素)
- 発色剤(亜硝酸ナトリウム)
たとえばかき氷のシロップ。
青や緑、赤など鮮やかな色をしてますが、石油由来の化学合成添加物「タール色素」で色づけしてます。
またハムやソーセージなどの加工肉食品は、火を通してもなお鮮やかなピンク色を保ちますが、「亜硝酸ナトリウム」という発色剤が使われているのです。
果汁ほぼ0%なのに、その果汁っぽい色をしているジュースやお菓子はたくさんありますよね。
炭酸飲料やグミなど、子どもが大好きなものはだいたい着色料が使われています。
味や食感をよくするため
うま味や甘み、香りといった味を加え、食品を簡単においしくするためにも添加物が登場します。
またクッキーをサクサクにしたり、パンをふわもちっとできたり、食感の面でも食品添加物が力を貸してくれるのです。
味や食感をよくする代表的な添加物はつぎをご覧ください。
- 調味料(アミノ酸)‥うま味成分
- 甘味料(アスパルテーム)‥砂糖の200倍ほどの甘みをもつ
- リン酸塩‥魚肉を固めたり、めんにコシをだしたりする
「調味料(アミノ酸)」は強いうま味をもつので、どんな食品も簡単においしく仕上げられます。
その使用率は加工食品全般的に含まれるほど…。
コストをおさえ、手間も減らせるため
製造コストをおさえ簡単に食品をつくれることが、食品添加物が使われる大きな理由の1つ。
たとえば食品にうまみをだしたい場合。
出汁をとり、その出汁でおいしくすることもできますが、出汁をとるための食材代と時間がかかります。
うまみ成分である「調味料(アミノ酸)」を加えれば、出汁をとらずとも簡単においしくできちゃうのです。
どんな料理もおいしくなる魔法の粉「味の素」。
実はその成分のほとんどは「調味料(アミノ酸)」なんです。
食品添加物の危険性についてはこのあと解説しますが、
- 安い
- おいしい
- 長持ちする
この3点がそろった食品は、添加物まみれでリスクまみれの可能性が高いと疑いましょう。
食品添加物が危険な理由7選|デメリット
食品添加物は食中毒を未然に防げたり、味をおいしくできるメリットがあることはわかったかと思います。
その一方で食品添加物を摂取することによる人体への影響もさまざま。
食品添加物に潜む危険な側面も見ていきましょう。
人体実験はされていない
人体実験は現実的にむずかしいのでは?
そう考える方もいるでしょう。
ですが医薬品を例にあげると、人体実験をしないことがおかしいと気付きます。
新しいくすりを販売するまえには、必ず「※臨床試験」が行われます。
さらに「治験」といって、新しいくすりの製造・販売を、厚生労働省に承認してもらうために再度臨床試験をします。
医薬品が販売されるまでの流れ
- 臨床試験
- 治験
- 製造・販売
つまりヒトが摂るものを、安全かどうかヒトで確かめることは普通のことなのです。
人体実験されていない添加物は、できるだけ避けたほうがよいでしょう。
添加物をつくる会社は、責任をもって社員みずからの体で試すか、協力してくれる健康的な人を募って、人体実験をするべきだと私は考えます。
発がん性の疑い
動物実験では動物に対して強い影響をおよぼす添加物も確認されています。
つぎの例をご覧ください。
- 赤色3号(赤3)‥かまぼこや福神漬けに使われる
- 赤3が混ざったえさをラット2世代に食べさせた実験では、2代目のラットに甲状腺の腺腫(良性の腫瘍)が明らかに増加。また赤3は、DNA修復に障害をもたらすこともわかっています。
- サッカリンNa(ナトリウム)‥糖質オフ食品や寿司のガリなどに使用される
- カナダによる動物実験では、2代目のラットのオスに膀胱がんが発生。サッカリンNaの化学構造からも発がん性の疑いは強いとされています。
さらにWHO傘下の国際がん研究機関(IARC)は、加工肉食品によく使用される発色剤「亜硝酸ナトリウム」を、ヒトに対しておそらく発がん性があるとする「グループ2A」に位置づけている事実も。
人体実験が行われない以上、ヒトに対して発がん性があると断言はできません。
ですが動物実験で発がん性が確認されていたり、国際政府機関がおそらく発がん性があるとする添加物は避けたほうが無難でしょう。
2023年7月に甘味料「アスパルテーム」を、ヒトに対して発がん性がある可能性があるとする「グループ2B」に分類したことが発表されました。
アスパルテームはコカ・コーラゼロにも入っていますね。
その他多くの症状を引き起こす
食品添加物のなかでもとくに「指定添加物(化学合成添加物)」は危険だらけ。
発がん性以外にもつぎのようなリスクが潜んでいます。
- アレルギー
- じんましんやアトピーなどの皮膚トラブル
- うつや集中力の低下など、精神障害
- 便秘や下痢
- 免疫力の低下
近年たくさん食べてるのに栄養不足におちいる「新型栄養失調」の患者が増えています。添加物はミネラルの吸収を阻害することも考えられているので、やはり食品添加物の摂取はなるべく控えたいですね。
わたしも体中アトピーのかゆみで何年も苦しみましたが、無添加生活をはじめてから徐々にアトピーは改善しました。
いまでは、アトピーによるかゆみはほとんどありません。
Column
ヒトの舌には味蕾(みらい)といって、味を感じ取るセンサーがあります。表面のブツブツが味蕾ですね。
赤ちゃんのころは約10,000個ある味蕾が、40代にもなれば約1/3にまで減少するとされています。
要するに子どもの舌は大人に比べて、とても味に敏感。
味覚が敏感な子どものうちから人工的な添加物の味ばかり食べると、ベロが麻痺して食材本来の自然な味を感じづらくなってしまいます。
お子さまのいるご家庭の方は、添加物の摂取にはとくに気をつけたいところです。
複合摂取の危険性
食品添加物の安全性を確認するためにさまざまな試験が行われていますが、それは1つの添加物を摂取した場合の影響についてのみ。
2つ以上の添加物を摂取したときに、どんな影響があるのか、研究や試験はまったく行われていないのが現状の問題です。
前述した安全基準「1日摂取許容量(ADI)」も、1つの添加物に対してのみのルールでしたね。
ご存じのとおり、1つの食品に対して添加物はいくつも含まれています。
つまり複数の添加物を摂取したときに体内で化学反応が起こり、悪影響がおよぶ可能性があるのです。
食品の加工段階で2つ以上の添加物が混ざりあった場合も、化学反応で新たな物質ができるかもしれません。
きちんと管理されてそうな安全基準の抜け穴といえますね。
温度変化は考えられていない
食品添加物に熱を加えたり、冷やしたとき、食品添加物にどんな化学変化が起きるかを確かめる試験は行われてません。
たとえば食品の加工の際、加熱や冷却、乾燥といった工程がありますが、これらの工程で化学変化が起きてもおかしくないでしょう。
化学物質に熱が加わると化学変化が起こるのはなんとなくイメージできますよね。
添加物もりもりの加工食品をお家で焼いたときなんかも同様です。
このように食品添加物の温度変化は無視できない危険要因なのに、日本政府は規制していないのです。
経時変化のリスク
ここでいう経時変化とは、食品添加物(化学物質)が時間の経過とともに、異なる物質や性質に変化することをいいます。
添加物ではないですが、カットしたりんごの断面が茶色くなるのも経時変化です。
りんごに含まれるポリフェノール類の成分(タンニンなど)が酸化して茶色い物質に変わるのです。
合成甘味料「アスパルテーム」の経時変化の実験では、アスパルテームの残存率が360日で約40%という結果に。
つまり残りの60%は別の物質に変化しているということです。
医薬品の場合、経時変化を考慮した試験を行ったうえで使用期限を必ず定めますが、食品添加物の使用期限を定めるルールはありません。
経時変化で危険な物質ができているかもしれないのです。
あいまいな原材料表示ルール
食品添加物は基本的に、物質名のみや用途名併記で原材料に表示する決まりです。
用途名併記とは「着色料(黄色4号)」のように、物質名だけでなく用途名も併記することをいいます。
原材料表示ルールで問題なのは、同じ目的で使う添加物なら複数使用しても、用途名だけの表示ができることにあります。
水と油を混じりやすくする「乳化剤」を例に見てみましょう。
乳化剤として使われる化学物質は以下のようなもの。
- ショ糖脂肪酸エステル
- プロピレングリコール酸エステル
- ポリソルベート80
3つすべて使ったとしても、原材料名には「乳化剤」とだけ表示できるのです。
つまりわれわれ消費者は、具体的にどんな添加物(化学物質)が何種類その食品に含まれているのかを把握できないのです。
関連記事
原材料表示ルールについて詳しくは以下の記事をご参照ください。
まとめ|まずはゆる無添加からでOK!
今回は初心者の方にもわかりやすいように、食品添加物の使用ルールの問題点や危険性などについて解説しました。
この記事の内容をまとめるとつぎのようになります。
- 食品添加物は食中毒を予防できたり、食品を簡単においしくできたりと、食品メーカー側にとってはメリットが多い
- 添加物のなかでも化学合成されたものは、発がん性やアトピー、精神障害など、さまざまな症状の引き金にもなりうる
- 添加物の複合摂取や経時変化のリスクなど、考えられていないリスクがいくつもあるのが問題
このように添加物には、無視できない危険性がたくさん考えられます。
かといって添加物の摂取をゼロにしようと頑張りすぎると、食べるものがあまりなく、かえってストレスになりかねません。
私が実践してるのは、6割ほどの感覚で添加物を避けるようにしていますよ。
そのほうが気楽に無添加生活を続けられます。
食品添加物とどう向き合っていくか、自分なりの答えを導きだしてみてください。
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